イベント事後レポート



2010年11月7日、8日の2日間にかけて早稲田祭2010が開催されました。
当会では11月7日に早稲田キャンパス15号館302教室にて

What is angela? 〜あなたは早稲田にいますか〜

と銘打って、 歌手のangelaのお二人をお呼びしてトークショーを開催いたしました。
ここではその様子を順を追ってご紹介します。


<直前リハーサル>
イベント開始直前のリハーサルです。
angelaさんも会場入りし、音響やスライド等の最終チェックや、本番の流れの確認が念入りに行われました。
その場でお二人がアイデアを出して下さり、随時変更が加えられていきました。
リハーサルですから当然、会場は静けさに包まれた状態で行われましたが、サークル員の内面は緊張でいっぱいであり、 会場の雰囲気とは裏腹に非常にピリピリした状況が続きました。


<オープニングトーク>
「ツナガル→ム」をBGMにしてイベントが始まりました。開始早々angelaのお二人、atsukoさんとKATSUさんが登壇されました。
登壇直後、会場が教室ということでいきなり出席確認を始め観客を沸かせました。


少々見えにくいですが上のような広い教室にぎっしりお客様がいらっしゃいました。

お二人の自己紹介を挟みつつトークは続きます。
司会の「もし今大学生になったら入りたいサークルは?」という質問に、 atsukoさんは「サークルではないですが、新歓コンパに参加したい」とおっしゃいました。
居酒屋でアルバイトした経験があるそうで、 その時行われていた新歓コンパが印象深かったそうです。
一方KATSUさんは「ジャズクラブに入りたい」との事。流石はギタリストです。


<ビデオレター>
ここでangelaのお二人と親交が深いある方からのメッセージが流されました。
その方は、声優であり歌手でもある白石涼子さんです。
しかし、ここで予期せぬハプニングが!
機器の調子が悪いのか、タイミング良くビデオが流れ始めません。
そんな状況でもangelaのお二人は全く動じず、 「(撮影場所は)交通量が多い所だね」 とジョークを交えながら場をつないで下さいました。
ありがたいことです。
因みにこのビデオレターは、白石さんが11月8日に早稲田大学で開催されたイベントに出演されるということで、 同じく早稲田大学でイベントに出演するangelaさんに届けられました。


<果て無きプロローグ>
「未来とゆう名の答え」を流しながら始まったこのコーナー。
音楽に対するお二人の考え、姿勢を改めてお聞きするコーナーです。
atsukoさんは暗い曲を作るのが得意と語られていました。
また作曲についてKATSUさんによると 歌はメロディ、リズム、ハーモニーが合わさって完成するもので、作曲とはメロディを 作ることだそうです。


<Stay with Anime Song>
angelaさんの楽曲の中でも人気が高い「明日へのbrilliant road」の調べにのせて angelaがアニメソングと出会ったきっかけに触れました。
ストリートライヴに偶然通りかかった後の担当プロデュサーさんの目に留まり、 1月に4月からスタートするTVアニメ「宇宙のステルヴィア」の主題歌を オファーされたそうです。

<蒼穹のファフナー RIGHT TO LEFT>
統一された世界観を保ちながら多くの楽曲を提供されたアニメ「蒼穹のファフナー」シリーズの楽曲について隅々まで解明するコーナーです。
話題に挙げている曲をBGMに「fly me to the sky 」や「DEAE SET」 は作品の暗さをあえて爽やかな曲調にしたり、明るいバラードに仕上げたそうです。 言うなればフェイクとの事。
ご自分での「どこまで信頼していいのかわかりません」という一言に観客一同爆笑でした。
続いてアニメ版の2年後の世界を描いた劇場版で使われた「FORTUNES」と「理解と破壊へのプレリュード」についてです。
atsukoさんは体が動かない、仲間がいないという主人公の苦労をそのまま描写するのも 芸が無いと考えてあえて逆の雰囲気にした「FORTUNES」 これはいわば12月22日発売の「蒼穹」のプロトタイプでありこの曲をより 「蒼穹のファフナー」に近づけたものが「蒼穹」であるとKATSUさんは語られています。
「理解と破壊へのプレリュード」の歌詞の特徴は疑問符が多いことです。
これは新キャラクターの持つ子供っぽさを表現したものであり、 無邪気で素直な残酷さを曲に仕上げたそうです。
また、決して宇宙へ行かない土臭さ、草の息吹を感じるものにしたそうです。

そして、angelaの代表曲と言っても過言ではない「Shangri-La」について司会が 「出来るまでかなり時間がかかったとお聞きしましたがどうでしたか?」という 質問をしたところ、
お二人は「今日、一番良い質問だよ!」とあえて強調した後こう 語っていました。
確かに収録に最も時間がかかったそうでKATSUさんは時間が長くかかればかかる程、 それで良い曲が出来る訳ではないがその分考え抜いたとのこと。
また、atsukoさんは言いたいことを歌詞だけで表わすのは難しく 手直しに手直しを重ねたそうです。
「果て無きモノローグ」は「戻りたい場所があれば戦える」から「戻れないと知っていながら僕は」への歌詞の移り変わりが特徴的でした。これはatsukoさんの帰ることが出来る 場所があるから人は戦えるという考えに基づいて作られたそうです。
また間奏の子供の様な声は誰の声?という質問についてなんとその部分もatsukoさん!
会場は驚きに包まれました。

作中で「果て無きモノローグ」の直後に流された「Pease of mind」。
これはangelaさんには珍しいラブソングです。
これについてはKATSUさんが一言 「本編、見て下さい。」会場全体が笑いに包まれました。そりゃそうですよね。
また、この時司会が「DEAD SET」はセミの声が曲中に含まれていることから 夏をイメージしており「Pease of mind」は対の冬をイメージしているのでは?という 旨の質問したところ、
「・・・セミ?」お二人は疑問符を頭に浮かべておりました。
ですから実際にその部分を確認してみたところ
angelaさん「セミじゃないでしょ〜!」
司会「セミじゃないんですか!?」
ただお二人もおっしゃっていましたが曲について考えることは聞く人次第だそうなので 自由に聞けば良いそうです。

イベント中は下のようにプロジェクターに映しながらお話を伺いました。

<Dear My Best Song>
ここではその他印象深い楽曲について語って頂きました。
TVアニメ「アスラクライン」で使用された「Spiral」は、作品の世界観を意識した ギミックをふんだんに盛り込んだ曲だそうです。
また、お二人がパーソナリティを務めるラジオで使用されている「ツナガル→ム」は、 電波を用いるラジオだったらどこかでつながるというイメージを元にしたとか。
また、angelaさんのバラード曲を中心にカバーしている後輩バンドのドメスティック・ラブバンドについてお聞きしたところ、口を濁してしまいました。
きっと様々に思うところがあるのでしょう。
インディーズ時代の曲を作り直した「此処にいるよ」はKATSUさん曰く
「自分達の理想的なものを作ることが出来るというのは良いことであると表現した」
これに対しatsukoさんは路上ライヴの時に、目の前を通り過ぎる人は変化を続けるが、 自分達は変わらずに演奏し続けている。このことに葛藤したことを表現したそうです。
そしてお二人の絆の深さを表わす「SONGS」。
この曲は路上ライヴ の気持ちを歌詞にしたもので、二人はどこかでつながっているという テレパシーを再確認した曲であるとatsukoさんは語ります。
なぜならこの曲は、KATSUさんが作った時atsukoさんには 路上ライヴを歌った曲であるとは伝えていなかったそうです。
にもかかわらず、シンクロしたような歌詞を書いていたことにお二人とも驚いたそうです。
本当に並々ならぬ絆を感じます。


<宝曲>
お二人のお気に入りの曲を、それぞれ3曲ずつ紹介して頂くこのコーナー。
atskoさんの一曲目 Proof
特に歌詞にある『息苦しい喜び』という一節が気に入っているそうです。
この言葉は成長するにつれて得るものは増えるがその分、行動に責任が伴うようになる。
しかしそれは、良いものであるという思いを込めて作られたそうです。

KATSUさんの一曲目 パノラマ
アルバム「Land Ho!」に収録された曲で最初に出来たこの曲。
暗めな楽曲が多いangelaさんの曲でも、爽やかな曲である点が好みだとか。

astukoさんの二曲目 feel,like a breeze
歌詞にある『「会いたい」って言葉が不安になりますか?』という一節が プロデュサーさんに褒められたそうです。
恋愛に対する切実な思いが現れており、このような女性が理想とおっしゃっていました。

KATSUさんの二曲目 Darling
TVアニメ「屍姫 赫」のOPテーマ「Beautiful fighter」のカップリング曲。
ご本人曰くangelaさんはカップリング曲に比較的、力を入れているそうで 全体的に好きな曲はカップリング曲が多いそうです。

astukoさんとKATSUさんの三曲目
なんと三曲目は同じ曲でした。それは・・・蒼い春
その場にいた、全員の予想の斜め上の曲に、驚きを隠せませんでした。
言わずと知れたこの曲は、2010年夏アニメの中でも異彩を放っていた TVアニメ「生徒会役員共」のエンディング曲です。
歌詞の中身はアニメの内容を加味して、若者言葉やインターネット用語を 多用したのが特徴とastukoさんは語っていました。
また、曲中のコーラスはそれまでangelaさんに関わったダンサーさんや、ミュージシャンの方々を始めとした、多くの方々によって歌われたそうです。
本来ならば振付についての質問もする予定だったのですが、ここまでの話が 盛り上がり過ぎて、残念ながらお聞きすることが出来ませんでした。

ここで入場時にお配りした出席カードを回収しました。こちらは、ミニライヴ後の プレゼントコーナーで使用しました。皆様のご協力もあり、迅速に回収することが 出来ました。


<ミニライヴ>
さて、イベントも終わりに近づき皆さんが待ちに待った生アコースティックミニライヴです。
まず一曲目は「Proof」。
選曲時にバトルになったそうですが、そんな二人だからこそ17~18年続けることが出来たとおしゃっていました。
アレンジバージョンということもあって皆さん聞き入っていました。
下の写真は歌唱、演奏中のお二人。


そして二曲目は「明日へのbrilliant road」。
デビュー曲です。この曲があるからこそ、今ここにいるとastukoさんはおっしゃいました。続けてKATSUさん曰く、本当は以前にもデビューしたが良い結果にはならなかったと。
そして再びastukoさんが「でもそこで諦めていたらデビューはなかった。だから諦めずに、 頑張って欲しい」との言葉で占め、歌が始まりました。
angelaさんとは切っても切り離せない曲ということもあって、観客のテンションは 先程以上に上昇しました。
もはや興奮し過ぎて、もし体内にメーターがあったら完全に振り切っていたでしょう。
そして、演奏後は拍手喝采が教室中に響き渡りました。
事前に申し上げていた通り、みなさん立ち上がることなく聞き入っていたので、我々も ほっとしました。


<プレゼントコーナー>
ミニライヴの直前に回収した出席カードを、抽選ボックスに入れプレゼント抽選会です。
今回はangelaTシャツ5枚、色紙3枚、ポストカード2枚をそれぞれ直筆サイン入りで ご用意しました。
一般的な抽選だと席番号を読み上げるだけですが、使いましたのは出席カード。
書いて頂いたお名前をお二人に読み上げて頂きました。
その度に、驚きや喜びの表情を浮かべる当選者の顔が印象深いです。


<エンディングトーク>
いよいよエンディングになってしまい、 お二人から観客の皆さまに一言ずつ頂きました。
astukoさん「せっかく普段入る機会が少ない大学に入ったんだから学祭の空気を楽しんでいって欲しい。」
KATSUさん「一からやり直すために、ストリートライヴから始めて今に至りました。だから壁に突き当たっても、諦めずに続けることが重要。」

また、最後にお互いの事を一言で表わして頂きました。

astukoさん「見た目はまあまあかっこ良い。機械に強くて頼もしい、かけがえのない相方。」
KATSUさん「家族や友人よりも一緒にいる時間が長い。これだけ長くやれるとは思わなかった。」


お互いの事を十分理解しているからこそ、長い時間を共に歩むことができ、 現在のようなアニソン界を担う存在へとなりえたのでしょう。
笑いあり、感動あり、興奮ありと本当にあっという間の二時間半でした。


今回、同じくangelaのお二人が学園祭に出演された、筑波大学現代視覚文化研究会さんとのコラボレーションとして 両方のイベントにご来場頂いたお客様にオリジナルのポストカードをお配り致しました。
こちらは、両方の会員がそれぞれangelaさんを描いているのですが、 当会の描いたangelaのお二人の服装と、当日の服装がよく似ていることにお気付きになった方はおられるのでしょうか?
是非、当イベントの写真と見比べてみて下さい!
イベント終了後、お二人のご厚意で当会会員との集合写真を撮影させて頂きました。
撮影中も、緊張しているサークル員に対し、気さくに話しかけて下さいます。

その時、感想としてもらしていたのは
「(サークル員の)人数が多くて驚いた」「筑波にはエレベーターがあったぞ!」
確かに当会はアニメイベントを行うサークルでも比較的人数が多いです。
また、筑波大学現代視覚文化研究会さんのイベントを引き合いに出しての事でしょうが、 すみません、そればっかりは校舎の関係で我々にはどうにもならないことなんです。


続けて「大学生時代のサークルだからこそ出来ることや夢を追いかけて欲しい」との 言葉を頂きました。
きっと学生時代を振り返ってその時には気が付かない仲間や、 自由の大切さが、含まれていたのでしょう。
その一言にも深みがあります。
以上のように、イベント開始直前から本番、そしてイベント終了後に至るまでangelaさんやスタッフの皆様の細やかな心配りに恐縮するとともに痛み入るばかりです。
本当にありがとうございました。
筆舌に尽くしがたいほどの感謝の気持ちでいっぱいです。
私達早稲田大学アニメ声優会は、このイベントを実行、成功する為に半年以上前から 入念に企画の準備を行って参りました。
その結果、無事にこのイベントを終了することが出来ました。
しかしながら、サークル員としてはもちろん皆様のアンケートや各方面からの 反響を通して、まだまだ準備不足である点、全てのお客様に必ずしも ご満足頂けなかった点など多くの反省すべきことがありました。
今後も私達は、今回の反省や今まで積み重ねてきたノウハウを活かして、アニメに関する 方をお呼びしてイベントを開催していきたいと思いますので今後もご愛顧のほど よろしくお願い申し上げます。





文責:早稲田大学アニメ声優会 今井










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